制度ニュースの自動収集を作ってみた ― 作るより「選ぶ」が難しかった

当法人のホームページに、障害福祉の制度ニュースを自動で集めて表示する「障害福祉ニュース」のページを作りました。この記事では、作ってみてわかったことを書きます。仕組みの詳しい作り方は、無料の資料(設計書)とコピーして使えるスプレッドシートで公開しています。

なぜ作ったのか

報酬改定、審議会の動き、処遇改善、虐待防止。障害福祉の制度情報は、毎週のように更新されます。小規模な法人では、事務部門が実質1人ということも珍しくありません。制度の追いかけは「詳しい人が、時間のあるときに」になりがちで、忙しい時期に大事な通知を見落とすことがありました。

そこで、集める作業は機械に任せ、人は「読む・判断する」に集中することにしました。集めた情報は法人の中だけでなく、ホームページにも出しています。相談支援専門員や関係機関の方、利用者・ご家族が制度の動きを確認する入口にもなればと考えています。

仕組みはシンプル。費用は0円

  • Googleスプレッドシートに付属するプログラム(Google Apps Script)が、6時間ごとに厚生労働省の新着情報やニュース検索を巡回
  • 障害福祉に関係のある記事だけを選び、タグを付けてスプレッドシートに保存
  • 最新の一覧をホームページに埋め込んで表示

保存・表示するのはタイトル・出典・リンクだけで、記事の本文は転載しません。動かすのにAIは使っておらず、API利用料もかかりません。AIを使ったのは、仕組みを作るときと、選別のルールを直すときです。

難しかったのは「載せないもの」を決めること

集める仕組み自体は、AIに相談しながら半日で形になりました。ところが最初の収集で集まった約200件には、政党の活動報告、企業の宣伝、高齢者介護や保育のニュース、イベントの告知が多く混じっていました。ニュース検索は、本文のどこかに検索語があれば記事を拾うためです。

そこで、ルールを4段階で強めました。

  1. タイトルに障害福祉の語があることを必須にする
  2. 宣伝や政治的な発信が中心の媒体を、出典で除外する
  3. 「開催」「受付中」など、告知の語で除外する
  4. 「グループホーム」「短期入所」のように高齢と障害の両方で使う語があるため、高齢介護の記事を見分ける

ルールを作るたびに、公開中の一覧を担当者が上から読み、「これは載せたくない」という記事に印をつけて、ルールに直しました。ある時点の検証では、一覧40件のうち20件が除外の対象になりました。半分が「載せたくないもの」だったことになります。

AIに任せる部分、人が決める部分

AIはルールの案を素早く出してくれます。一方で、「この記事は当法人のページに載せたくない」という判断は、人が一覧を見て初めてできました。巡回・保存・タグ付け・重複の判定・表示は機械に、何を載せないか・公開してよいかは人に。この分け方を最初に決めておいたことが、うまくいった理由だと考えています。

また、ホームページに過去記事の一覧(アーカイブ)は作らないことにしました。外部の記事はいずれ消えてリンク切れが増えること、記録はスプレッドシートに全件残っていることが理由です。

同じ仕組みを使いたい法人の方へ

作り方・選別ルールの考え方・運用の決めごとをまとめた設計書(PDF)と、コピーしてすぐ使えるスプレッドシートを公開しています。登録やメールアドレスの入力は不要です。Google Workspaceに含まれるGeminiで同じ作業をするための依頼文も、資料の付録に載せています。

※配布物は無保証です。個別のサポートは行っていません。この記事と資料は、生成AI(Claude)と相談しながら作成し、内容は当法人の担当者が確認しています。